欲求のジレンマとリーダーシップ


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マズロー欲求段階説は余りにも有名であるが、更にマズローによれば、欲求は大きく「欠乏欲求」と「成長欲求」に分けられる。

 

戦後の日本社会を、欠乏欲求と成長欲求の観点から考えてみたい。

戦後はすべての物資は払底し、食うために必死に働いた。飢えが満たされれば良かったこの段階では、欠乏欲求そのもので、成長欲求の余裕は無かった(図のA)。

 

やがて飢えが収まり余裕が出てくると欠乏欲求は低下し、代わりにこれまでより良いものを、あるいは他者よりも良いものを求める成長欲求が芽生えてきた(AからB)。

 

物が豊富に出回り飽食暖衣に慣れると(B)、欠乏欲求は影を潜め、それと共に多くの国民は無理して働かずに安定志向を求める傾向が生まれる(成長欲求の低下)。このようにガッツが無くなると、社会活動は停滞し経済力も低下し、国際競争力がなくなりやがて貧困への道をたどる(BからC)。

 

貧困になり飢えに苦しむと、欠乏欲求が生じる(CからA)。

 

このように、A→B→C→Aの循環を繰返すだけでは進歩はない。この循環を断ち切るには、現状に甘んじることなく高みを目指した成長欲求を喚起し、自己実現の活動をすることが求められる(BからD)。現代求められるリーダーシップとは、自他ともに成長欲求を喚起し、創造性に満ちた活動をいかにして実現するかである。

 

 

 

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