パラダイムシフトと学問の大衆化


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パラダイムシフトと学問の大衆化

 

パラダイムシフト

世界は、今、ものの考え方や価値観が大きく変わりつつあります。 トーマス・クーンの言うパラダイムシフトに他なりません。

目の前の風景はさほど変わらないように見えても、その奥に潜む本質は劇的に変化しているので、その変化に気づきこれまでの思考や行動様式を改めない限り淘汰される運命にある。それは、ダーウインが「種の起源」で、生き残れるものは強いものではなく、環境の変化に適応できるものである、と指摘したとおりである。

 

これまでは、先人の考えや知識、経験を豊富に持つことが尊ばれ、決められた規則を忠実に守り成功体験を踏襲すれば何とかできた。ところが、現代は世界的にこういう考えはもう通用しなくなり、過去の成功パターンの延長ではやっていけないパラダイムシフトの時代を迎えました。 過去の知識や経験という財産を元にしつつも、それを超える新たな気づき、発見によりこれまでにないアイデアを出し行動を起こす知的創造力が求められるようになりました。さもなければ、AI、ロボット、あるいは安い海外労働に置き換えられ、貧困への道を落ちていく運命にあります。

 

学問の大衆化

 こうならないためには、どうすればよいか。知識を沢山詰め込む従来型の勉強法では決して解決しません。知識を習得することはコンピュータの得意とするところで、容易にコンピュータに置き換えられます。求められるのは、過去の知識をベースにしつつも、課題解決のためこれまでに無い解決策を提供出来る創造的な「学問」です。

 

1方向性から、360度の全方位性への転換

それには、従来型の教師から生徒への知識の伝授というトップダウン型の1方向性の教育では知識習得には効率的でも、思考の幅を広げ創造力を涵養するには不向きと言えます。教師は生徒に課題を与えて意見を吸い上げたり、生徒同士の意見交換を通じて他の人はどう考えるかを相互に学び合い思考の幅を広げることが重要となります。更には、自分より経験の浅い若輩との交わりにより、陥りやすい誤りの傾向を知ることも、新たな気づきを得る上で役立つことがあります。つまり、従来型のトップダウン型の1方向性から、360度の全方位性への転換が求められるようになります。

 

社会人の学問

多くの人々にとって、20歳前後で学校を卒業して社会に出ると、再び学問する機会は多くありませんでした。OECDの調査によれば、社会人が高等教育を受ける割合は、日本はOECD加盟国平均の1/10に過ぎません。日本でも、これからは、あらゆる機会を捉えて、社会人が学問をする機会を増やさなければなりません。